2017年11月2日木曜日

スタッフレポート

2
 
道中は灯りが全くない為真っ暗闇で、唯一ヘッドライトで床を照らしながら、砂と岩だけ、たまに草花が生えている斜面を無心で進んでいると、いつのまにか先方のお得意様(専務)との距離が30mほど離れていました。

少し待とうかと考えたのですが、気持ちに余裕がなかった為、「すいません」と心の中で呟き先に進みました。

ようやく六合目の山小屋に到着すると、専務を待つ為休憩をとりました。

まだ余裕もあった為疲れはなく、この時点では“頂上に着く瞬間に北川を追い越して、俺が先に登頂してやる”と作戦を練っていました。

そんな事を考えていると、専務が到着した為記念撮影をし再び4人揃って出発しました。
 
気温は少し肌寒い程度で、歩を進めているとこの空気が心地よく、上着はTシャツ1枚で充分でした。

体力的にも疲れは全くなく、登山を楽しむ余裕まであり、会社に戻ったら、「楽勝だったぜ!」と部下と談笑している映像が頭に浮かぶほどでした。

後ろを見るとまた専務のヘッドライトが後方に見えたのですが「すいません」と心の中で呟き、社長の真後ろにぴったりとつけ、踵を見据えて同じ足取りで登り続けるのでした。
 
七合目の山小屋に到着し、専務を待つ間気になった事があります。それはトイレの匂いです。当然下水管が通っている筈もなく、さらに衛生車等が通れる道もない為、斜面に垂れ流している状態だったのだと思いました。

この標高ではハエも住めないのかなと考えていると、専務が到着した為記念撮影をし再び出発しました。
 
少しづつ気温が下がっているのが体感でき、北川工場長が「寒くない?」と聞いてきたのですが、この時点ではまだTシャツ1枚で充分でした。

斜面も六合目に比べると急になってきており、少し寒いくらいが丁度よい程でした。

しかし、しばらくするとザックが当る背中が汗で濡れ、その部分が冷たくなり段々と体が冷えてきました。

やっぱりあの時上着着とけば良かったと後悔していると、少し広い場所がありここで専務を持とうという事になった為、水を飲み上着を着ていると、北川工場長が「袋がパンパンになっとるよ!!」と叫びました。

何のこと?かとよく見ると、携帯食の袋が気圧の影響で風船の様に膨らんでいたのでした。

子供の様にはしゃぐ工場長を見ていると、(こいつどんだけ余裕なんだ?)と少し危機感を覚えた事を思い出します。

社長は体を冷やさないよう少し離れた場所で、円を描く様に歩いておられました。

満点の星空を見上げ、満面の笑みを浮かべる工場長を見ていると、やはり社長はストイックな方なんだなと改めて感じました。
 
最終話に続く・・・
 
業務部 菊池一彦